大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和35(あ)1549 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人三名の弁護人高木定義の上告趣意は、被告人Aについて単なる法令違反、

事実誤認及び量刑不当を主張し、被告人B及び同Cについて量刑不当を主張するに

すぎず、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

被告人三名の弁護人田中政義の上告趣意について。

第一点は被告人Aにつき、第二点は被告人Cにつきそれぞれ事実誤認を主張する

ものであつて、同四〇五条の上告理由に当らない。

第三点は、右被告人両名につき憲法三一条違反を主張するが、所論の実質は単な

る法令違反及び事実誤認の主張をいでず、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

第四点は、被告人三名につき憲法三一条違反を主張するが、所論の実質は単なる

法令違反の主張をいでず、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(被告人らが共謀

の上犯罪を実行したことを判示した以上は、被告人らが共謀をした日時、場所、方

法などについては必ずしもこれを判示する必要はない。昭和二三年七月二〇日第三

小法廷判決集二巻八号九七九頁参照)

第五点は、被告人Aにつき憲法三一条違反を主張するが、所論同被告人の自供調

書につき供述の任意性を疑うに足るべき資料はないから、違憲の主張は前提を欠き

採るを得ず、その余の所論は単なる法令違反の主張であつて刑訴四〇五条の上告理

由に当らない。

第六点は、被告人三名につき憲法三二条、三一条、一四条、三九条違反を主張す

るが、公職選挙法二五二条一項の規定による選挙権及び被選挙権に対する制限は、

同条項所定の裁判の確定という事実に伴い法律上当然に発生する効果であつて、裁

判により形成される効果ではないから、裁判所が同条三項の規定により、処刑者の

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利益の為めに右の効果を発生せしめず若しくは選挙権及び被選挙権の停止期間を短

縮せしめる場合は格別、そうでない場合には、裁判所は刑の言渡と同時に、同条一

項所定の如く選挙権及び被選挙権を停止する旨又はその停止期間を短縮しない旨を

特に主文において言い渡すことを必要とせず、また本件の如く原判決が、選挙権及

び被選挙権停止の裁判をしていないときには、同条項の憲法違反を主張することは、

前記の理由により原判決の違法を主張するものではなく上告理由として不適法であ

るから(昭和二九年六月二四日第一小法廷決定、集八巻六号九七一頁参照)、所論

違憲の主張はすべて採るをえない。

第七点は、被告人三名につき量刑不当を主張するにすぎず、刑訴四〇五条の上告

理由に当らない。

第八点は、被告人三名につき憲法三六条違反を主張するが、所論の実質は量刑不

当の主張をいでず刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三五年九月二七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 高 橋 潔

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

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